アステルはイリオスに首筋をかぷかぷと噛まれながら中を強く穿たれた。アステルの項には既にいくつもの噛み跡がつけられている。傷が付けられる度に体が悦び、舐められれば勃起した。
 イリオスがアステルの傷の深さに気がついたのは初めての交合から二日近く立った時だった。
 血が首筋を通り、シーツを汚した。果てて痙攣するアステルはもっと欲しいと腰を揺らしている。痛みにまるで気付いていなかった。
「あっ、あっ……イリオスさま、もっとぉ!」
「だめだ、アステル。すまない、傷の治療をしよう」
「抜いちゃやぁっ!」
 アステルは後ろ手でイリオスを探し、また挿れようとする。その手をイリオスが掴み制止した。
「これ以上はまずい。君の首を噛みちぎってしまいかねない……」
「噛んでっ……気持ちよくしてぇっ」
 いやいやと駄々こねるアステルにキスをしてなだめようとするが、快楽に支配された彼にはイリオスの思いが届かない。
「ダメだ。……ああ、そうだ。オメガのヒートはアルファの精液で鎮静するはずだ。ほらアステル。私の中にアステルのそれを差し入れてくれ」
「ぼく……お尻がいいのにっ」
 雄の快感を知る前に後ろを知ってしまったアステルはイリオスを欲しがった。
「私の中もきっと気持ちがいいぞ? 手を貸してごらん」
 イリオスが仰向けになりアステルの手を取った。そしてその指をオメガの蜜でぬかるんだ後孔に入れさせる。ゆっくりと奥まで押し込む。
「わっ……温かくてぬるぬるしてて……きゅうきゅう締め付けてきます……」
 その感触に驚きアステルはとろっと受け入れてくれるイリオスの蜜壺をまじまじと見つめた。
「そうだろう? これが君の陰茎を包むんだ。アステルのそこには叶わないが、果てることはできそうだろう?」
「イリオスさまみたいに、上手くできる自信がありません……」
 ぐるりと触ってみてもアステルの弱点と同じものが見つけられない。どうしたらいいのかとイリオスに助けを求めた。
「上手くやる必要は無い。自分が気持ちいいと思うことをすればいいだけだ。アステルが気持ちよければ私も気持ちいいからな」
「でも、痛くしたくないです……」
「私は受け入れる性であるオメガだ。そう易々と傷付かない。証拠にほら、もう一本入れてごらん」
 指を増やしてもすんなりと入る。さらに動かしてみてもまだ余裕が見える。香油など使用していないにもかかわらず、愛液が溢れてきた。まるでアステルを誘っているようだった。
「すごい……」
 甘い香りに吸い寄せられ、アステルは滴る蜜を直にぺろりと舐めた。口の中に幸福感が広がる。
「んっ」
 低いイリオスの嬌声が聞こえアステルの胸が高鳴った。二本の指を開くように動かし蜜を求めて中に舌を這わす。初めはおっかなびっくり味わっていたがどんどん大胆に奥に奥にと舌を伸ばした。
「ふっ……ん……ああ、アステル、上手だ……」
「いりおふひゃまのここ……おいひいれす……っ」
 足りないとばかりに掻き出すように指を動かし蜜を啜る。小休止と口に付いた蜜を舐めとるとアステルはイリオスの剛直からも蜜が溢れていることに気がついた。ちゅうっと湧き出る鈴口から舐めとってみるが、あまり味がせず愛液の方が魅力的に感じた。しかし、敏感な部分に触れたせいかぴくぴく震えるイリオスのそこが愛しく思えた。
「……アステル、今はそこではないだろう?」
「はぁい……じゃあ挿れてみますよ?」
 アステルは硬くなった自身をイリオスのとろとろの後孔にあてがいぐっと押し込んだ。思いの外するんと入ってしまいどんどん奥に引き込まれる。熱く強い締めつけの中にある柔らかな感触にすぐに持っていかれそうになった。
「ああっ、だめっ……でちゃうっ……イリオスさまっ」
「そのまま、中に出せ……っ」
 少し苦しげのイリオスがアステルをさらにぎゅうと締め付けた。十秒に満たない滞在時間でアステルは果てた。本能が己の種子を奥へと送ろうと腰が動く。その抽挿でまたアステルのそれは硬くなる。気持ちよさに腰を打ち付け続けてしまう。
「あっ、あっ……止まらないっ……きもちいっ……あっ……」
「気持ち、いいな……くっ」
 強い一撃の後、またイリオスの中にアステルの熱情が注がれた。その衝撃にかイリオスも腹に精を吐き出す。蜜筒が痙攣し、太く長いアステルのそれを甘く締め付けた。
「んんっ……締め付けしちゃ……だめぇっ」
 これ以上は止まらなくなると慌ててアステルはそこから抜け出した。勃ちきったそこはどちらのものかも分からない体液でぬらぬらと光が反射する。
「おちんちん、バカになっちゃうところでした……。ちゃんとイリオスさまも気持ちよかったですか?」
「私が射精したのを見ただろう? ……ほら、腹に飛んでしまっている」
 イリオスはアステルの手を取り腹に付いた己の体液を確認させる。アステルは手についたそれを躊躇無く口にくわえとろっとした笑みをみせた。
「んふふっ……イリオスさまの味だ……」
「そうだろう? しかし、これでお互いの初めてを捧げあえたな。また私の中に入るか?」
 イリオスが足を広げて見せてくれたそこは白濁した汁を垂らし、アステルにはくらくらするほど魅力的に見えた。だがイリオスの雄汁を舐めてしまったせいか、またぶり返してしまっていた。
「いえ……ぼく、やっぱりお尻の方が好きみたい……。またしてくれませんか?」
 アステルもイリオスに己の滴る後孔を見せつけ誘った。ごくりとイリオスの喉が鳴る。
「甘え上手なアステルには叶わないな……。だが、また後で私の中にアステルの精を注ぐんだぞ?」
「イリオスさまがいっぱいぼくにくれたら頑張ります。だから、早くください」
 ゴロンと仰向けに膝を立てて寝転がったアステルは手を伸ばしイリオスを求めた。要求に応じたイリオスが散々出入りしたそこに屹立を挿入する。まるで初めからそうであったようにぴったりとはまった。
「はぁっ……」
 最奥の入口にコツンとイリオスの先端が当たりこじ開けられる。するとアステルのそれが嬉し泣きをしだす。
 アステルはイリオスの肩に手を回し引っ張った。ちゅっと軽いキスの後、深いものに変わる。そしてまたイリオスの緩やかな抽挿が始まった。


end

***
おまけでリバしているシーンです!
おにショタ的な……笑
よしよしセックスでした!


02/15/25