あらすじ
※再録「back」に収録した作品の続きです。

 三年前に新社会人として研修を終えたアキトは先輩に付いて仕事を覚えていた。
 そんなある日、雨雲一つない空から落雷がアキトへ直撃し、気が付いたらそこは森の中だった。
 兵士に助けられたかと思うといきなり王様であるマグナスの元へと連れていかれた。どうやら魔法的な力でアキトはこの世界へ召喚されたらしい。
 言葉の壁は薬で解決し、色々あってマグナスと結婚を果たしたアキト。
 初めてのえっちでマグナスが両性だとしり、数年かけてはぐくんだ愛の力でマグナスは懐妊。
 幸せいっぱいで、ニートをやっているアキトだったが、日に日に増していくマグナスの性欲が心配の種。お仕事があるからとどうにか休憩中に滾ったマグナスを落ち着かせてお預けをし、アキトはマグナスを仕事へ向かわせた――





 マグナスがアキトのもとに帰ってきたのは、アキトが夕飯を食べ終えた頃だった。昼に見た時よりも少し疲れた表情を見せていたが、マグナスをよく知らない者から見れば普段との違いは分からないだろう。
「お疲れ様」
「ああ、ただいま。もう夕食は済ませたのか?」
 アキトはマグナスから上着を受け取りハンガーに掛けていく。そして部屋着を渡し、着替えさせていった。本来は侍女の役目だがアキトは進んでこの仕事を引き受けた。
「うん。先にいただいちゃった」
「そうか……。では少し待っていてくれるか? 軽く食べてくる」
「一緒にお茶飲んでちゃダメ?」
 こういう甘え方をしてくるアキトが、マグナスはたまらなく好きだった。かわいすぎて、すぐにでもキスをして押し倒したいほど。その気持ちを抑え、あくまでも冷静に、二言返事で返す。
「もちろんだ。何か甘味も用意させようか?」
「うーん、じゃあ軽くフルーツいただこうかな」
「分かった。準備させよう」
 二人でダイニングルームに向かい、侍女に食事を用意させた。元より予定されていたマグナスの食事はもちろんアキトのデザートもすぐに給仕される。それ以降はアキトが一人でもできるため、侍女はほとんど下がらせた。
「今日もお仕事長かったね。体調は大丈夫?」
「問題ない。少し回りが慌ただしかったが、それ以外はいつも通りだった」
「そりゃあマグナスのエッチな気に当てられたらみんなムラムラしちゃうよ。マグナスはかわいいんだもの」
 苦笑混じりにアキトは政務官たちを哀れんだ。この国で一番気高く清らかであった王様が欲求不満を振り撒いて来たのだ。当てられても文句は言えない。
「アキトの方がかわいい」
「それはマグナスの欲目だから他の人に言ったらお医者さん連れてこられちゃうよ。ただでさえカッコ良くてみんなマグナスにメロメロなのに」
「嫉妬、してくれないのか……?」
 マグナスがそういうかわいいことを言うとアキトは人目も気にせずに抱き締めたくなる。今は誰もいないが、あくまでも食事中のため、自分をなんとか落ち着かせる。
 食事をする姿さえこんなにも美しく絵になるのだ。ため息にどんな想いを乗せようとも仕方がない。アキトはマグナスの気持ちを知っているので、自信を持って受け流せる。
「マグナスが俺を好きだって、言葉以外でも言ってくれるから気にならないよ。嫉妬して欲しかった?」
「少しくらいは……な。だが、私の気持ちを分かってくれているなら無駄な心労は負わなくて良い。アキトには健やかであって欲しいからな」
「お陰様で平穏な日々を送ってます」
 マグナスの減ったグラスにハーブティーを注ぎながら軽く頭を下げた。普段のマグナスならワインのような果実酒を夕食に嗜むが、お腹の子の為にと今は禁酒している。仕事も子供もマグナスに任せきりの自分が隣で飲酒するのは流石に気が引け、マグナスに習ってアキトも酒を控えていた。マグナスは気にせず飲めというが、優しさにつけあがらないようにと自戒している。
「ありがとう。アキトも注ぐか?」
「ううん、自分でやるから大丈夫だよ。ありがとう。マグナスはしっかり食べて、母子共に健康で居てね」
「……アキトのを飲めば私はすぐに元気になる」
 上目遣いでマグナスに見つめられ、ソワソワせずにはいられなかった。なんたってかわいいの百点満点だ。アキトはグッと堪え、平静を装った。
「ご飯食べてお風呂はいってそれから、ね」
「では手早く済ませる」
「急いで食べたら変なところ入ってちゃうよ。普通に食べて。まだ夜は長いんだから」
 そう言ったにも関わらず、マグナスの食べる速度は普段よりも幾分か早かった。食事を済ませ、カウチソファーで胃を落ち着かせる。
 アキトは背もたれに寄りかかり、広々としたソファーに足を乗せた。このまま寝てしまえる様な心地よさがある。足の間にマグナスが座り、ピッタリとその背中がアキトにくっついた。アキトはもっと寄りかかるようにとマグナスの腹に回した手に力を乗せる。
 二人の境界線は曖昧になり、触れた部分から互いの体温が混ざり合う。空いた右手で手を組むようにマグナスの右手を掴みにぎにぎと柔らかく揉んだ。
「マグナスの手は大きくて頑張り屋さんの手だね」
 剣を握るマグナスの手は硬く、マメなどでゴツゴツとしている。反対にアキトはペンしか持ったことが無くやわい。住む世界がこんなにも違うのに、マグナスはアキトを深く愛してくれた。アキトもまた、マグナスを好きにならずにはいられなかった。
「好きだ、アキト」
「俺も大好きだよ」
 ぎゅっと片手でマグナスを抱きしめる。柔らかな髪に顔をうずめ、鼻でかき分け首筋に唇を寄せた。かぷりと歯を立てる。すると、鼻にかかったような吐息がマグナスから漏れた。
「んっ……あまり煽らないでくれ……」
「ごめん、つい」
 マグナスがかわいいと、ついついちょっかいをかけたくなってしまう。お互いに我慢をしているのは明白で、このまま押し通してしまっても文句一つ出てこないだろう。
「もうお風呂入っちゃう? お腹平気?」
「問題ない。食事をとった直後に訓練をすることもあるからな」
「それはなかなかハードだね……。俺なら食べたもの全部出ちゃいそう」
 マグナスの訓練の様子を見学したことがあったが、相当な運動量で、アキトはとてもではないがついていける気がしなかった。思い出しただけでも胃の中のものがせり上がってきそうだ。
「その時は私が受け止めよう」
「うーん、できたらトイレに受け止めてほしいなぁ」
 マグナスはアキトのこととなるとすべてを受け入れようとする。嬉しくもあるが、アキとは少し心配になる時があった。
「まあでも、マグナスがいいならお風呂入っちゃおうか。先に入ってて」
「分かった」
 機敏にマグナスがアキトの上から降り、浴室へすたすたと歩いていく。お預けを食らい切羽詰まっているマグナスに苦笑しながらも、アキトは着替えとタオルを準備して彼の後を追った。


 脱衣所に入るときれいに畳まれたマグナスの服があり、几帳面な部分が愛おしく感じる。その横にアキトも脱いだ服を並べ、浴室の戸を開けた。
「ちゃんと温まってる?」
「ああ。アキトも早く入って来るといい」
 アキトは急かされるままに掛け湯で身体を流し、マグナスが入ってもまだまだ余裕がある、広々とした浴槽に身体を鎮める。
 じんわりと温かい湯は長湯にぴったりの温度だ。アキトとマグナスは時間があれば長湯をしがちだ。いちゃいちゃと互いを求め合うとすぐに時間が経ってしまう。そんなことをしていた為、以前湯当たりしたアキトを慮り、この温度となった。だたし、熱めの湯にさっと入るのが好きなアキトは一人で入浴する際には侍女にお願いして、温度を上げてもらうこともしばしばあった。
「身体が温まったら背中流すね」
「私もアキトを磨き上げてやろう」
「マグナスは妊婦さんだからゆっくりしてていいのに」
 ぽっこりと膨らみだしたマグナスの下腹部を優しくなでながらアキトは遠慮を申し出る。きれいに割れた筋肉の下には、まだ見ぬ愛しい子が眠っているのだ。本当に居るのか実感がなかなか持てなかったが、少しずつ膨らみ始めるマグナスの身体を見れば、父親として自覚させられる。
 マグナスは男らしく、両性とはいえ同じ男として思ってきた日の方が多かった。マグナスの長大な男性器を目にすれば誰しも男性寄りに思うのではないだろうか。ただ、やることはやっていたし、両の穴にも万遍なく精を放ってきた。マグナスが月経中、強請られるままに行為、もちろん後ろだったが、に耽ったこともあり、女性として正常に働いているのも知ってはいた。あの時は鮮血に恐怖を覚え何度も何度も確認し、やめようと断ったが最終的には根負けしてしまった情けない分身に非難の目を何度向けたことか。それと同時に、アキト以上に申し訳なさそうにするマグナスに、自制の難しさを勉強させられた。
「それくらいなんともない。私の楽しみを奪わないでくれ……」
「俺の身体なんて洗って楽しいの? マグナスはどこもかしこもきれいだから楽しいけど、こんなへにゃへにゃで肉が付き始めた中年まっしぐらの身体だよ?」
 できる限り運動はしようと心掛けているが、マグナスとアキトでは基礎が違い、負荷をかけられるレベルが子と大人のそれだ。アキトが自身と同様の肉体を想像して横に置いてみたが、まったく魅力が分からなかった。
「アキトだからいいに決まっている。アキトに触れられるだけで私は幸せなのだ」
「……そういわれると分かる気がする。俺もマグナスに触れるの嬉しいもん」
「そう思ってくれるだけで私は世界で一番幸せなのではないかと錯覚する」
 マグナスが何と言おうとこんなにきれいでかっこよく、性格も申し分ないどころか最上級の嫁が居る自分こそが世界一幸せだとアキトは内心強く叫んだ。嬉しそうに微笑むマグナスを見ればその議題は平行線をたどると分かるので言葉にはしなかった。
「マグナスは幸せを感じられる基準がずいぶん低いよね」
「アキトが側に居てくれるだけで良いからな。国庫が管理しやすく、国としてはそれだけでも良く思ってくれるだろう」
「自分の給料も減らしちゃったもんね」
「そう使わぬのであれば余りあっても仕方がないだろう。私個人の分を減らしたのであって、王族予算はそのままだ。アキトはアキトの思うままに使ってよいのだぞ?」
 アキトがこの国に召喚された時から給料のようなものが、生活費や召喚者の迷惑賃も含めて、国家予算として発生している。マグナスと結婚してからはさらに王族手当もついて金額が跳ね上がった。使い方を知らないアキトにとっては紙屑も一緒で、王族手当以外はすべて取りやめてもらうことにした。王族手当も働いていないアキトにとっては恐れ多いものだったが、マグナスと家族だという証なのだと言いくるめられ、ありがたく頂戴している。
「俺に趣味があったらよかったんだけどなぁ。今は勉強で精一杯だし……。昔はもっとすんなり覚えられてたような気がするんだけど、覚えが悪くてね……」
「そんなことはない。ルークスからは飲み込みが早いと聞いているぞ」
 ルークスはアキトの家庭教師だ。子爵の次男で非常に教え方がうまく、アキトは優しくしてもらっていた。
「それはルークスの過大評価だよ。もう三年もいるのにいつまでたっても子供向けの本で手一杯だし。せめて新聞が辞書なしで読めれるようになれればいいんだけど」
「小学院に通う三年生と比べればアキトの方がよくできているだろう?」
「子供と比べたらそりゃあできるよ。一応これでも大人だからね」
 アキトの周りの人間はすぐにアキトを甘やかしてくる。嬉しくはあるが、満足してしまいそうでやる気の度合いを試されているようで怖く感じるときがある。元々あまり真面目ではなかったアキトだったが、この国にきて大学受験の時以上に勉強を継続的にしているように思える。
「それでもアキトはよくやっていると思う。知人が一人もいないこの世界で、私の側に居続けてくれて本当に感謝している。返してやることができず、申し訳なく思っている」
「初めは心細かったけど、今は大事な人が居るし、数か月後にはもう一人増えるからね。俺こそ、俺を選んでくれてありがとうだよ」
 アキトは湯船の中でマグナスの手を取り重ね合わせ、ゆっくりと握った。
 今となってはマグナスが居るならばどの世界に住もうとも構わないと思っていた。そしていつかはマグナスのそしてこの国の為に役立てるようなことができればと考えている。
「アキト……」
「なあに?」
「君は本当に優しいのだな」
「優しいのはマグナスの方だって」
 アキトは身を乗り出しそっとマグナスの唇に自身のそれで触れた。軽いキスのつもりだったが、離れようとした瞬間、マグナスに抱き込まれ深いものに変わる。マグナスの甘い舌がアキトの口いっぱいに満たされる。お返しとばかりに舌を伸ばし、マグナスの中へ攻め入った。ぴちゃぴちゃちゃぷちゃぷと響く水音はどこからなっているのかもはや分からない。
 溢れ出し、混ざり合った唾液がマグナスの首を伝って湯船に落ちる。零れていく感覚にもったいないと、どちらともなく唾を飲み込んだ。
「んっ……マグナス……」
「アキト……!」
 アキトはとろんと酔ったような潤んだ瞳に見つめられる。このまま続きをと目が訴えてきた。湯当たりしかねない状況に、理性を総動員させて踏みとどまった。
「マグナス、まずは身体を洗ってお風呂から出よう。のぼせちゃってまた迷惑かけちゃう」
「アキトなど羽のように軽いから、心配することはない」
「ダメ、ストップだって! 俺もお預けばっかりで辛いから早く出てベッドいこ」
 アキトはざっと湯船から出ると洗い場で洗髪をし始めた。後からマグナスもやってきて同じように長い髪を石鹸で洗い出す。
「あまりお預けが過ぎると君の意思に反して身体を繋ぐので、覚悟しておくといい」
「俺はいつでもウェルカムだから反することはないんだけどなぁ。場所とかね、タイミングがね!」
「そんなことを言って……場所も時期も申し分ない今もしてはくれなかったじゃないか」
 マグナスとのセックスを嫌だと思ったことなど一度もないとアキトは断言できた。麻薬のように多幸感を味わえるマグナスとの触れ合いを嫌がる訳がなかった。
「ほんとにほんと! 何にも考えなくていいならずっと何時間だって何日だってマグナスといちゃいちゃしてたいもん。マグナスの立場はもちろんだけど、今回は俺の小さな男としてのプライドというか……夫なのに一人倒れて恥ずかしいじゃん!」
 口と手を動かし身体も洗い終えると、今度はマグナスの長い髪にお湯をかけ泡を流していく。
「マグナスが倒れても俺引き摺るしか無理だろうから、余計にさ……」
「私しか見ていないんだ、恥ずかしくはないだろう?」
「……こんな弱っちいヘタレでも、マグナスの前では少しくらいかっこよく居たいの。分かってよ」
 よりきらめきを増したブロンドの髪を軽く絞り、今度は身体を洗う手伝いをする。泡を作ったタオルで優しく擦った。アキト自身、自分の身体に対してはごしごしと豪快に擦るが、マグナスの身体ともなれば傷付けないようにと真剣だ。
「もっと惚れてしまうようなことを言わないでくれ。これ以上好きになって、私はどうしたら良いのだ……? アキトは十分格好良く、すばらしい素敵な人間だと思うぞ」
「俺も毎日惚れ直してるよ。だって、マグナスのかっこよさは敵わないし、かわいさなんて俺にはないというか、なくてもいいんだけど。とにかくすっごくかわいいんだもん」
 どうしたらいいのかアキトの方が聞きたいくらいだった。言葉にするだけでは溢れかえってしまうこの情愛と情欲を、緩やかに放つため、抑え込みながら過ごしている。
「好きだよ、大好きだよ」
「私も愛している……さあアキト、早くベッドへ向かおう」
 すべての泡を流し終え、上気した顔でマグナスはアキトを誘った。マグナスの長い髪を拭くのもそこそこに、二人は寝室へ直行する。


 倒れこんだベッドの上で抱きしめ合いキスをした。どこもかしこも触れ合いたくて、混ざり合い一つになりたい一心で重ね合う。
「ふふっ、マグナスの乳首たってきた」
 女性的というよりは男性的な、脂肪の少ない筋肉質の、胸に手を伸ばせばすでに硬くなった乳頭があった。キュッと摘んだり押し潰したりすると、マグナスは喜んで雄々しいそれをより大きくするのだ。
「アキトぉ……胸は良いから早く……っ」
「もう欲しいの? ちょっと待ってね」
 確かめるようにアキトは玉の後ろに隠れたマグナスの女性器に触れる。しっとりと蜜を垂らし、アキトを迎え入れる準備をしていた。
「もう濡れてるね。指、入れるよ」
 中指を一本、温かなその中に差し込んだ。さすがに何度もしてきたからか、はたまた滑りがよくなているせいか、すんなりと侵入を許した。ぐるりと一周、広げるように掻き混ぜる。きゅっきゅと締め付けられ、もっとくれと扇動してきた。
「もっと、ぐちゅぐちゅにして欲しいんだ……」
 二本目を突き入れ、マグナスの好きなところを刺激する。出し入れされるのも好きなので、それも忘れない。
「あぁ……っ」
「いっぱい溢れてきたね。ぐちゅぐちゅ言ってるよ」
 溢れ出す愛液はアキトの手をどんどん濡らす。ぐちゅぐちゅといやらしく音を奏でる。
 感じ入るマグナスを見るだけで、アキトの息子には十分な刺激だった。立ち上がってなお、マグナスの平時にやっと届くかどうかの下半身だが、これでも日本にいたころは平均よりも少し上だと自負していた。だが所変われば平均も変わってしまう。マグナス以外のそれは見たことがなかったが、マグナスが規格外なのだと思うことにしている。
 そんな規格外の一物を撫であげ、両の刺激を与える。
「同時は、んぁっ、だめっ……」
「よしよし、きもちいねぇ。マグナスはどっちもいじってもらうのが好きだもんね」
 びくびくとマグナスのそれが動き、中に入れた指も締め付けられる。イキそうだと分かったうえで、アキトはどちらからも手を放した。
「えっ……?」
「まだイッちゃだめだよ。俺と一緒にイこうね」
 ゆっくりとアキトは自身をマグナスの中へ埋め込んでいく。アキトの形になったそこはぴったりとくっつき、離そうとしない。
「ああっ……アキト……っ」
「マグナスの中は相変わらず気持ちいね」
 アキトが腰を動かせば、マグナスは歓喜の声を全身で上げる。
「あきとっ、あき、……とぉっ」
「だいすきだよ、マグナス」
「んぅっ、……み、るく、ミルクっ……腹の子に、ミルクぅっ」
 覚えさせてしまった言葉が清純なマグナスの口から吐き出される。要望通りにすべく、アキトはマグナスの中で高みを目指した。
「はいはい、今あげますからねぇ……んっ」
 アキトの熱がマグナスの中へと放たれる。それと同時にマグナスも自身の腹をその熱で汚した。
「あぁっ……アキトのみるく……だいすき……」
 マグナスの中は収縮し、奥へ奥へとアキトの熱情を運び入れようとする。抱き込まれ、アキトは一番深いところに居座り続けた。
「俺もだいすきだよ、マグナス」
 とろけきったマグナスの唇を塞ぎ、もう一度と強請る妻の願いを叶えることにした。


end

***
冬コミペーパーでした。
騎乗位をリベンジで書きたいです。


12/30/16