パンッパンッと小気味良い音が鳴る。爽やかさとは無縁の肉のぶつかり合いだ。太ももに乗る真っ赤に腫れた白くて小さな尻。小さいくせに色んな物を食わえてきたせいでゆるゆるで、叩いてようやく満足のいく締め付けが得られる。
「ひぐっ……ぃたぁ、あっ!」
「何いっちょ前に痛がってんの。痛がる振りする余裕あるならちゃんとケツに力入れなよ」
「いっ!」
 もう一度叩いて確かめれば、案の定締まって、一向に萎える気配のないコイツのチンコ。ブジーで塞き止められてる先走りもザーメンも、奥で煮えたぎってるに違いない。
 ブジーを軽く叩いて前後から前立腺を刺激する。ビクビク中が痙攣して持っていかれそうになる。既に数回出してるから、なかなか出づらくはあるんだけど。
「ああっ! っんやめ、はぁう、んっ」
「痛いとかやめてとかほんとオナホにしては煩すぎ。べちゃべちゃで汚いし……」
 涙とか鼻水とか顔面から出せるだけの液体を撒き散らしてる。見てるこっち側の気持ちにもなってほしい。
「だれ、の! せいだとぉっ」
「はいはい。俺が悪うございました。謝ったんだからちゃんと役割果たしなよ」
 俺が好きなように動いてイッて。優しいからコイツのこともついでに気持ちよくしてあげる。いっぱいおもちゃも買ってあげたし、乳首と鬼頭につけたピアスの消毒だって俺が毎日してあげた。こんなに尽くしてるのに、わがまま過ぎにも程がある。
「だからおれはお前のオナホじゃないって何度も言ってるだろ!」
「別にオナホだなんて言ってないでしょ」
「言ったじゃん! もう今日はやだから抜けよぉ」
「ほんとうるさいなぁ。少しは黙るってこと覚えなよ」
 腰に置いた手を解いて、コイツの首元に伸ばす。軽く絞めてれば喉も尻も締まって一石二鳥だ。魚みたく口をパクパクさせて必死に酸素を欲しがる姿は滑稽で、眺めているだけで薄い笑いが漏れる。
 何度目かの、少なくなったザーメンを中に叩き込んで手を離した。浅い呼吸に内臓が動いてか、奥に搾り取られているような感覚がする。
 ようやく引き抜いたそこに、漏らさないようにとプラグを押し込む。緩くなったそこは簡単に飲み飲んで、出すことを拒んでるみたいだ。
「しばらくそのままね。俺風呂入ってくるから待ってて」
 ぐったりとベッドの上で転がるコイツからの返事はない。おったてたままのチンコを見るに、まだ中に快感が燻ってるようだ。
 風呂でさっぱりして、お湯を温め直してから湯船にも入った。それなのに出てきてまだ同じ場所にアイツがいた。
「何まだ寝てんの? ほら、全部抜いてやるからこっちおいで」
「……いまだめ……抜いたらだめ……」
「イヤイヤ言ってた割にまだ足りないの? ドライで俺より決めてたクセに体力と性欲だけはあるんだから」
「ちがっ」
 近付いてコイツの膨れた下腹部をぐっと押した。顔が歪んで、両手でそれを阻止される。そんな事されるといっそう押したくなるの分かんないのかな。
「パンパンだ」
「だからダメだって言ってんじゃん!」
 泣きながら言ってるけど、まだコイツに羞恥心とかあったんだ。
「上から出すか下から出すかどっちかにしなよ。風呂場でいいよね?」
「いいけど……今動ける気しない……腹も痛いから……」
「掻き出してないしね。トイレにする? そっちのが近いし」
 頷くのを確認して、腕を引っ張りあげた。よろつく身体を支えて、歩くように促す。年寄りもびっくりな遅さで進み、なんとかトイレまで運び入れた。
 男が二人入るのでやっとな広さで、甲斐甲斐しく便座に座らせる。
「ありがと……もういいから……」
「それ自分で抜けるの?」
 黙ったまま俯かれて、二人しか居ないんだからもっとハッキリした声で言えよっていう程の小さい声で、否定の言葉が返ってた。仕方なく膝をついて、萎えてるコイツのチンコを扱く。
「んぁあっ、なにやって……!」
「たたせないと抜きにくいでしょ」
 さっきうるさいって言ったのを覚えてたのか、手で口を塞いで声が漏れないようにしている。どうしようもないくらい淫乱なそこはすぐに反応をみせた。ケツに入れたプラグを不規則に押し込めば、手から漏れてくる声も大きくなる。
「出したいのどっちだったんだっけ」
「いじ、わるっ……いうなぁっ」
 イキそうなタイミングを見計らって、ブジーもプラグも丁寧に、だけど素早く抜き取った。
 ちょっと考えれば分かることだった。勢いよく流れる水音と溜め込んだ空気が漏れる音。勃起したチンコからの放物線は俺の顔めがけて飛んできた。
「……ちょっと」
「ぅんっ、あ、ああぅっ」
「何してくれんの……どこまで緩くなってんだよ」
「……ちがうぅ」
 そこらじゅうから出せるもの出して、俺にまでぶっかけて。それでも泣きながら被害者ヅラして……どんだけ厚いんだよお前の面は。
「おれはオナホじゃないし、おれのことゆるマンっていうけどなぁ! おれのケツ使ったことある奴なんてお前しかいないんだからな! お前が原因に決まってるだろばかぁっ」
「あのねぇ、オナホにしてはって言ってるんだからオナホな分けないでしょ。あと俺が拡張したんだからそんなこと知ってるよ。拳一つ入るくらいまでは頑張ろうと思ってんだから」
「そんなの頑張らなくていい! おれが普通に生きられなくなる」
 今だって大したことして生きてるわけでもないし、何言ってるんだ。ほぼヒキニートじゃん。
 思わず溜息が漏れて、小便まみれの顔をシャツで拭った。
「別に俺はそれで構わないと思ってるけどね。風呂入り直すから、お前もここ片付けてから入りなよ」
「……わかってる。ごめん……かけたことは謝る」
 顔にはまだなにか言いたいって書いてあって、それが何かは手に取るように分かった。まだこりてない。前世はウサギかなにかだったんじゃないかこいつ。
「はいはい。風呂場で抜いてあげるから、早く片付けておいで」
「――そ、そんなのいらないから! 片付けはするけど!」
 後ろ手に聞きながら二回目の風呂に向かう。そういえばと、アイツが一度もきちんと抜いていないことを思い出した。


end

***
えっちなほもが書きたかった


10/11/15