すき、すき、すき。好きだから、オレは何されたってどんな立場だってどうでもいい。好きなんだもん。それは止められないんだ。だから、側に居れるだけでそれでいい。
 一方通行でも、オレしか矢印は向いてなくても、オレがアナタを好きならもうそれでいいんだ。
「あっ……ん、あぁっ」
 無遠慮にズコズコバックから突いてくる。オレはただの穴で、入れてもらえるだけで、存在できる。おもちゃでいい。使ってくれるなら、価値があるならそれでいいんだ。
「んぅっ、あっ、あっ……はぁっ」
 オレが後ろだけじゃいけないとかそんなのアナタには関係ない。関係ある方がおかしい。だってオレはアナタの穴だから。オナホはただの道具でしかない。
「ゆるい。もっとしめて」
「ひうっ」
 ベチンと尻を叩かれた。痛みに反射して、中が閉まる。より一層形が分かって、頭がクラクラした。上からも下からも涎がだらだら出て、こんなんだからオレは穴なんだ。
「あ、あっ……んんっ」
 中に出されたのが分かった。出してくれた。オレの中で、アナタの種が植え付けられる。一滴でもこぼしたくなくて、締め付けた。抜かれても大丈夫なように。
「あ、やっべー」
「……えっ、あっ」
 腹が水で満たされていく。勢いよく出されたそれが、気持ち良くてイキそうになった。
 種付けされて、便所にもされて、オレってなんて幸せなんだろう。抜かないで。栓をして。ずっとそこに居て。
 なんて、我儘なんて言える立場じゃないけど。
「あーすっきりした。じゃ、おれかえるから」
 全部出し終えたのか、アナタが離れていく。ダメだって分かってるのに、無意識に締め付けてすがる。
 ぽっかり空いた穴から、尿まじりの精液がこぼれた。ベッドに黒い染みができる。それが見えて、思わずにやける。
 誰もいなくなった部屋で、しばらくその広がる黒を眺めていた。でも、ベッドにそれはもったいなくて、近くにあったぶっといバイブで栓をする。
 これなら自由に歩ける。重い腰を身体を、持ち上げて風呂場に向かった。
 ずっと中に入れておきたいけど、そうするとまた腹痛で出さなきゃいけなくなる。オレは賢いから、前に別の方法を思いついた。
 桶を下に置いて便所座りで跨る。バイブを引っこ抜けば、重力で自然に中から溢れだす。甘い匂いが風呂場に広がって、それだけで飛びそうになる。残りは絞り出して、オレの腸液まじりのごちそうが出来上がった。黄色と白とでマーブル模様。美味しそうで涎が溜まる。
 一気に飲むのはもったいなくて、ちびちび度数の高い酒を呷るように大事に飲んだ。胃の中で、全部オレを作る成分になる。アナタがオレを作ってるって、そう思える。嬉しくなって自然と口角が上がった。どうせ誰もオレを見ないから関係ない。誰に見られたって関係ないけど。
 胃袋を満たしながら空いた片手で猛った自分を慰める。飲み干す前に放出して、腰がガクガク揺れた。
 綺麗に桶を舐めて、冷たいシャワーを浴びる。段々温度が上がって丁度良くなった。
「汚い穴は捨てるだけ……おべんじょこーたはばちっち。だからきれいきれいしましょうね」
 アナタが触ったところ以外は汚い汚い。汚いオレの身体。刺傷も火傷の痕も、いっぱいあってきたないオレ。ごしごし洗って真っ赤になる。もっともっと、綺麗にしなきゃ使ってもらえない。
 使って触って。それだけでオレは満足だから。


end

***
二人ともバカでかわいそうです。


03/20/14