何でこうなったかは分かんない。ただ少しあいつにムッとしただけなのに。
「なに怒ってるの」
「別に怒ってない」
「ウソだ。怒ってるの。俺の方向いてよ」
 三人掛けのソファーの上で、両サイドに分かれて座ったオレたち。と言うよりも、オレが一方的に端に寄って、あいつから距離をとってるだけだ。
「やだ。そんな気分じゃない。オレはテレビ見てんの」
 左を見ようとしないで、テレビに集中するフリをした。今はあいつの顔見たくない。オレはあいつを怒って良いと思う。それだけのことをしたんだ。でも怒らないように、怒りを静めようとしてるのに。構ってくるなよ。
「俺のことは気分次第なの?」
「違うけど今はいやだ」
「やっぱり怒ってるー。俺何かした?」
 自分のしたことに気付いてもないのか! さいあく。そしたら、あいつから見たオレってマジ意味分かんないじゃん。
 自分で気付くまでぜってー許してやんねぇ。
「俺寂しいんだけど」
「知らないって。風呂でも入れば?」
 結局こいつと話してるオレはなんだかんだで優しい。まだ許す気にはなれないけど。今日中に思い出さなかったら……ほしかったPS3でも買ってもらおうか。
「一人で入らせるつもり?」
 別にいつも一緒に入ってるわけじゃないし。マジなんなのこいつ。
 ジリジリ近寄ってくるし。ギリギリまで隅っこにいるオレは動くに動けない。立ち上がるのは癪だからしたくないし。
「勝手に入れよ」
 うるさいし気になるしでバラエティ番組なのに何してんのかよく分かんない。無駄にイライラするし。
 元々そんなに離れてなかったからか、あいつにもうぎゅっと抱き締められた。軽く抵抗するのに、結構力入れられててすぐには離れそうにない。あいつの息だってもう肌で感じるけど絶対あっちは見ない。意地でも見ない。
「そんなかわいい口してると挟んじゃうよ」
 もうはさんじゃった、と笑いながらいつの間にかアヒルみたいに突き出てた唇があいつの人差指と親指で挟まれた。むにむにと揉んでくる。それでも無視だ無視だと頑張るオレ。
「構ってよー。寂しいじゃんかー」
 ウザい。悪びれもしないし。
 耳に感じる息を頼りに頭を勢いよく左に振った。
「いった!」
 ゴチンとぶつかるオレと頭とあいつの顔面。オレも痛いけどあいつも痛い。
「黙ってろ」
 抱きつかれていた身体と抓まれていた唇が開放された。多分ぶつかったとこ擦ってんだろな。
「もーほんと俺何したよ? 分かんないって。いい加減教えてよ」
「ない脳みそ使って自分で考えろ」
「やっぱ怒ってんじゃん!」
 怒っちゃやだーとぎゅうぎゅう抱きしめてきて肩に頭擦りつけてくるこいつを同い年とはとても思いたくない。ついでに、恋人とか意味分かんないだろ。
「あ、もしかして……俺がおやつに食べちゃったやつ? そうだろ! ばか、もーかわいい! 明日買ってきてやるから機嫌なおせよ。な?」
 思い出してくれてよかった。……けど、言い方が悪い。誠意がこもってない! オレがせっかく風呂入った後に食べようと思ってたのに。入る前に確認したらなかったんだ。ありえねー。
「……ならダッツ買ってこい。ついでにPS3」
「買う買う!」
「ダッツはでっかいやつだぞ」
「うんうん。二種類買ってきてやるから」
 ガキみたいに頭なでてくる。ウザいけど我慢してやる。PS3もゲットだしな。
 その後、仕方がないから一緒に風呂に入ってやって、ベッドでもかわいいかわいい連呼でウザかったから蹴って落してやった。
 なんでオレこいつと付き合ってんだろ。

end

***
らぶらぶでいちゃいちゃしてるの書きたかったんです。
この子ららぶらぶ要員です。名前決めてませんw
そのうちずっと抱っこ座り?してるの書きたいです。
ちなみに、ガリガリ君がダッツ×2に化けました。私もダッツ食べたい……。


08/27/11





ぼたもちにこめ





 約束通りあいつがダッツとPS3を買ってきた。PS3は冗談半分だったんだけどな。くれんなら喜んでもらうぞ。
「なー開けていい?」
「お風呂でたらね。ご飯は食べちゃったんでしょ?」
「うん。だってお前遅いし」
 しょ気るあいつを横目にPS3の入ってる袋を漁った。ポイント還元のでっかい電気屋の紙袋だ。
「ゲームは?」
「買ってないよ? 流石にそれは自分で買おうよ」
「ケチ!」
「そんなこと言う子にはゲームさせませんよ!」
 どこの母親だよと心で悪態をつきながらもやっぱりゲームはやりたいから少し焦る。嘘だってわかってるけどなんか思い出すんだよな。
「バカ、本気にすんな」
「かわいくおねだりしたら許してあげる」
「うざっ! まあいいや。買うもんは?」
「えー言ってよー! あ、だいじょうぶ」
 基本的にオレは帰ったら部屋着きるけど風呂に入ったら寝間着に着換える。ベタベタしたまま服着たくないけどこいつと住むようになってから我慢して、まぁ慣れた。寝間着着たら外でないって決めてるけど。
「そんじゃ先入ってからだ洗ってるからゆっくり来い」
「髪は?」
「お前がやるんだろ?」
 パッと明るくなるあいつを無視してちゃっちゃか風呂に向かった。広めのところにしたとはいえ、大の大人が二人いっぺんに入るには少し狭い。
 洗い場に二人縦に並んで座ったらほとんど身動きできなくなる。だからオレが先に身体洗って湯船に入っとかなきゃなんないんだ。
 服を脱いで風呂場に入ると温度差に乳首がたった。シャワーで落ち着かせないと摘まんでくるからな。  身体を温めるついでに濡らした柔らかめのナイロンタオルにボディソープを二回プッシュする。泡立ちが良いから好きだ。それに洗った感がある。普通のタオルで洗うとなんか擦ってるだけみたいなんだよな。
 泡まみれになるとあいつが入ってきた。
「俺の白い恋人」
 バカなこと言ってるあいつを無視してシャワーで落とそうとしたら取られた。後とタオルも。そんでなんか泡だたせてんだけど。嫌な予感しかしない。
「乳首まっしろー。見えないね。どこにあるんだろー?」
 案の定バカはバカで泡をオレの大人しくなった両乳首に塗ってきた。場所くらい覚えてんだろ。
「はいはいどこでしょうね。シャワー返せ」
 シャワーをぶんどってきれいさっぱり泡を流した。湯船に入ってギリギリ横向きに体育座りして縁に頭を乗せる。
「あーん、もー。もうちょっと遊ばせてくれてもいいのにー」
 そういいながらオレの髪をシャワーで濡らしていく。
「ゲームやりたいから早く出たいの」
「俺のお姫様はさっきから冷たい」
 シャンプーを手に馴染ませてからオレの髪を揉んだ。頭皮から気先まで丁寧に洗っていく。いちいちめんどくさいけど、洗われるのは嫌いじゃない。オレならガシガシ洗っちゃうけど、こいつのはなんかマッサージって感じ。実際やってくれるし。
「髪洗わせてやってんだから十分優しいだろうが。もっと酷くしてほしいわけ?」
「滅相もない。今で十分」
 シャンプーを落としてリンスもやってまた落とす。オレのリンスinシャンプーなら一回で済むのに。なんで別々に買うかね。しかもトリートメントまであるし。女かってんだ。
「顔は?」
「まだ。自分でする」
 くるっと反対向きになって、んっと手を突き出した。洗顔料を掌に要求するとちょんっと乗せてもらった。手が真っ白になるまで両手になじませて一気に顔に付ける。満遍なく指でこすってからシャワーをかけてもらった。オレ完了。後はのぼせないようにしながら待つだけだ。
 あいつもきびきび動いてるからすぐ終わんだろ。オレの時より大雑把だ。
「入るからちょっと詰めて。まだ大丈夫?」
「んー」
 長風呂は得意だから問題ない。お湯事態そこまで熱くないし。
 しかし、男が二人向き合って体育座りってどうよ。お湯かなり流れちゃったし。
「ねーねー」
「あ?」
「アイス何味食べる?」
「バニラ。お前ストロベリーな」
 ちょっと貰えれば十分。ダッツを二個分食べるだなんて贅沢オレにはできない。半々にして皿に盛るのも贅沢だ。むりむり。
「俺先に飯食うからその後だよ?」
「いいよ。あ、オレのはやんないから」
「ひどっ自分は貰う気満々のくせに! いいよー俺だってやんないから」
「はいはい」
 どうせこいつはくれるから何言ったって関係ない。つかそろそろ出たい。
「出る。お前は?」
「十分温まったし出るよ」
 二人がたちあがるとどんだけお湯が減ったか一目瞭然だった。まあ洗濯機は回せるだろ。
 タオルで拭いてたらタオル越しに抱きつかれて面倒だったから拭かせといた。着替えて先に洗面所を出る。
 早速破れないように気をつけながら箱からPS3を取り出す。開ける時蓋のとこがぼこって曲がらなくて良かった。きれいに開けられた自分をほめたい。
「何するの?」
「イコ」
「俺もやる?」
「いい。お前は飯食ってろ」
 2Pがいなくたって何回もクリアしてんだ、余裕。ワンダだってクリア済み。3ほしかったのだってトリコが出るからだし。ここの作品ほんと好きだわー。
 セットし終えるとあいつも買ってきた惣菜をローテーブルに並べ終えてた。オレのバニラもある。えらいえらい。
「床座って」
「なんで?」
「良いから早く」
 ローテーブルを少し前にずらしてあいつはソファーにもたれ掛るように座った。
 邪魔だからオレはローテーブルを横にずらしたけど。そんで寄っかかってるあいつの前に寄っかかるように座った。準備完了だ。
 スタートを押して途中にしてあるセーブをロードする。
「何かなこれは。食べにくいけどすごい幸せなんだけど」
「ご褒美。食べ終わったら一緒にやるぞ」
 ぎゅっと腹周りに手が伸ばされ締め付けられる。苦しくはない。
「今度はドルチェ買ってくるね」
「全種類?」
「うん」
 締め付けが強くなった。ゲームはできるからそのままにする。

 落ちついたのか開放されて後ろでもぐもぐ言ってる。
「あーん」
「えっ?」
「アイス。手ふさがってんの」
 溶けかかってるアイスを強請る。後ろでどんな顔してるかは大体想像できた。逃げてる途中だから相手なんかできないけど。お前よりヨルダのが大切だ。
「はい、あーん」
 二人羽織りみたいに後ろから伸びてきたスプーンが開いた口の中に入った。濃厚なバニラがたまんない。これ食べるとしばらく他のアイスは食べらんないよな。
 もっとと口を開ければ追加でもう一口入ってきた。
 セーブポイントまで来るともう皿の中身は液体だけになってた。もちろん飲む。手が開いてるから自分で。
 後ろに居たあいつが立って、食器を片付けにいった。背中が寒いから早く帰ってこい。そんであいつのストロベリー半分くらい食べてやるんだ。
 スプーンは奪わなくったってオレの口に入ってくる。元々オレんだし。

end

***
すごい長い訳じゃないので一緒にしちゃいました。抱っこずわり出来てる??
ちなみに、あいつの足は最初伸びてましたが疲れて曲げちゃいます。
そこに更にぐでーっとよっかかったオレが足の間(太ももと脹脛)に手を突っ込んで抱きかかえるようにゲームします。
オレはほぼ寝っ転がりながらゲームしてますw 股間の近くに頭があるんだぜ。
多分ゲームはPS3を買ったポイントで買わされると思いますよ。
我が家にPS3ないのでよく分かりませんが大丈夫かな?
オレの願望は私の願望です。私もドルチェ食べたい……


08/30/11